マイヤー・ブルガーの独太陽電池工場、今春閉鎖の見通し

スイスの太陽電池メーカー、マイヤー・ブルガー・テクノロジーは23日、独東部の
フライベルクにある太陽電池モジュール工場を今春に閉鎖する見通しを明らかにし
た。安価な中国製品が市場に大量流入し、経営が圧迫されているため。同社は1月
下旬、公正な競争条件を作り出すための政治的な措置が行われなければ閉鎖する意
向を表明したが、そうした措置が打ち出されていないことから具体的な見通しを公
表した。グンター・エアフルト社長は、工場閉鎖の最終決定はまだ下されていない
として、政府に速やかな対応を促した。
フライベルク工場は欧州最大の太陽電池モジュール工場で、雇用規模は500人に上
る。今回の発表では3月前半の操業停止、4月末の閉鎖を見込んでいることを明らか
にした。
一方、米国には2工場を建設する計画だ。インフレ抑制法(IRA)に基づく巨額助成
を受けられる公算が高いためで、コロラド州コロラド・スプリングズにセル工場、
アリゾナ州グッドイヤーにモジュール工場を設置する。年産能力はともに約2ギガ
ワット(GW)。操業開始はそれぞれ今年末と今年第2四半期を見込んでいる。その
資金を確保するため、同社は3月中旬に臨時株主総会を開き、2億〜2億5,000万スイ
スフランの増資を決議する意向だ。

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