自動運転システムに生成AI活用、ボッシュがマイクロソフトと可能性を模索

自動車部品大手の独ボッシュは28日にベルリンで開催したIoTイベント「ボッ
シュ・コネクテッド・ワールド」で、生成AI(人工知能)の活用を通した自動運転
システムの大幅な性能改善の可能性を米IT大手マイクロソフトと共同で模索してい
ることを明らかにした。従来のシステムが直面する壁を生成AIにより乗り越える狙
い。自動運転機能を一段階、引き上げることを目指している。シュテファン・ハル
トゥング社長は「自動車におけるAI利用の新たな次元を切り開く」と意欲を示し
た。
現在の自動運転システムは人、動物、物体、自動車を区別することはできる。だ
が、路上に転がったボールを子供が夢中で追いかけているという状況が事故につな
がりかねないことを理解できるようになるためには、トレーニングが施されなけれ
ばならない。人間と違って状況を読み取る能力がないため、そうしたシナリオをい
ちいち学習させる必要があり、効率が悪い。
生成AIは従来型のAIと異なり、学習したデータから新たなデータや情報を創出でき
ることから、生成AIを用いて自動運転システムの学習を行えば判断力が高まると
ボッシュは期待している。例えば、車道に落ちている物体がビニール袋なのか、そ
れとも破損した車体の一部なのかを区別し、危険性があると判断した場合は運転手
に知らせたり、ブレーキや緊急警告灯を自動で作動させることができるようにな
る。

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