ドイツ連邦陸運局(KBA)が5日発表した2月の乗用車新車登録台数は21万7,388台とな
り、前年同月を5.4%上回った。昨年末に購入補助金が突然、打ち切られた電気自動
車(BEV)は2ケタ減となったものの、ハイブリッド車(HV)が大きく伸びて全体が押
し上げられた。コロナ禍前の19年同月に比べると新車登録数は19%少ない。1〜2月の
累計も前年同期比は11.8%増の43万941台に拡大したものの、19年同期比では19%減
少した。
2月の新車登録を動力源の種類別でみると、BEVは15.4%減の2万7,479台へと縮小し
た。プラグインハイブリッド車(PHV)は補助金打ち切りで激減した前年同月の反動
で22.3%増の1万4,575台へと拡大。PHVを含むHVも17.6%増えて6万9,367台となっ
た。ガソリン車は2.3%増の7万7,106台、ディーゼル車は9.7%増の4万2,153台だっ
た。
シェアをみると、BEVは前年同月の15.7%から12.6%へと落ち込んだ。PHVは5.8%か
ら6.7%に拡大。HVも28.6%から31.9%へと伸びた。ガソリン車は1.0ポイント減の
35.5%、ディーゼル車は0.8ポイント増の19.4%だった。
乗用車新車登録に占めるBEVとPHVの合計のシェアは21.5%から19.3%に縮小した。
BEVとHVは同44.3%から44.5%へとわずかに拡大している。
走行1キロメートル当たりの新車の二酸化炭素(CO2)排出量は122.8グラムで、前年
同月から2.5%増加した。BEVの減少が響いたとみられる。
新車登録の伸び率が最も大きかった部門はスポーツ車で27.9%に達した。これにコン
パクトカーが21.0%、大型バンが10.7%で続いた。中大型車と大型車は減少幅が大き
く、前年同月をそれぞれ18.8%、15.6%下回った。
シェアではSUVが28.5%(前年同月29.3%)となり、これまでに引き続き断トツの1位
を保った。2位のコンパクトカーは前年同月の17.0%から19.5%へと大きく拡大し
た。3位のオフロード車で12.1%だった。
伸び率が最も大きかったブランドはGWM(長城汽車)で、前年同月比1,560.0%増の
166台を記録した。台数自体が少ないことから、増加数が少ないにもかかわらず増加
率が極端に大きくなった。同じ事情でBYD(比亜迪汽車)とイネオスもそれぞれ
1,242.9%増の94台、725.0%増の66台と急拡大した。
ドイツ車ではポルシェ(66.5%増の4,296台)、スマート(42.4%増の1,205台)、オ
ペル(20.1%増の1万1,571台)、BMW(8.1%増の1万6,096台)、VW(2.1%増の4万
361台)が増加。メルセデス(7.4%減の2万70台)、ミニ(10.8%減の2,655台)、
フォード(13.8%減の7,699台)、アウディ(21.9%減の1万4,274台)、MAN(37.1%
減の105台)は減少した。
日本車では三菱が263.4%増の2,555台と急拡大した。レクサス(63.9%増の236
台)、スバル(24.5%増の351台)、スズキ(15.2%増の2,443台)、トヨタ(14.0%
増の6,616台)、マツダ(9.3%増の3,313台)も平均(5.4%)を上回る伸びとなっ
た。ホンダは1.2%減の503台、日産は3.6%減の2,372台だった。
日本車以外の主な輸入ブランド(シェア1%以上)をみると、ボルボ(83.5%増の
5,469台)、セアト(45.0%増の1万1,761台)、起亜(24.5%増の5,667台)、ダチア
(22.1%増の5,851台)、シュコダ(15.3%増の1万5,848台)、プジョー(12.9%増
の4,704台)、シトロエン(11.6%増の3,641台)、現代(0.4%増の6,998台)は増
加。フィアット(9.7%減の5,150台)、テスラ(21.7%減の6,038台)、ルノー(28.
6%減の2,575台)は落ち込んだ。
中国のNIO(蔚来汽車)は107.7%増の27台、ベトナムのビンファストは13台だった。
一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した2月の国内乗用車生産台数は37万4,800
台となり、前年同月を2%上回った。輸出台数は横ばいの27万7,700台。1〜2月の累計
は生産台数が前年同期比5%減の67万4,900台、輸出台数が2%減の48万9,600台だっ
た。