国内発電が需要低迷で12%減少、再生エネはシェア56%に大幅 拡大

ドイツ連邦統計局が7日に発表した2023年の国内発電量(送電網への供給量ベース)
は前年比11.8%減の4,498億キロワット時(kWh)と大きく落ち込んだ。景気低迷とエ
ネルギー価格の高止まりを受け需要が縮小したことが反映されている。国外からの輸
入が増えたという事情もある。
在来型電力が27.8%減の1,979億kWhとなり、足を強く引っ張った。4月中旬に全廃と
なった原子力が79.5%減少。石炭も30.8%縮小した。天然ガスは前年の落ち込みが大
きかったことから3.9%増えた。
再生可能エネルギー電力は6.7%増の2,518億kWhに拡大した。風力が13.8%増えて過
去最高の1,393億kWhに達したことが大きい。発電容量が4.3%増えたうえ、風力も良
好だったことから大幅増となった。
水力も14.2%増と2ケタ台の伸びを記録した。比較対象の22年は夏季の猛暑渇水が響
いて12.0%減少しており、そのベース効果で2ケタ増となった。
太陽光は1.3%減少した。前年は日照量が極めて多かったことから、その反動が出た
格好だ。
バイオガスは5.7%減だった。
電源別のシェアをみると、風力は前年の24.0%から31.0%へと拡大し、石炭を抜いて
1位となった。石炭は33.2%から26.1%へと減少し2位に転落。3位は天然ガスで
13.6%、4位は太陽光で11.9%だった。
再生エネ全体のシェアは56.0%となり、前年の46.3%から大幅に拡大した。在来型は
53.7%から44.0%に縮小している。
23年の電力輸入量は693億kWhとなり、前年を40.6%上回った。国内発電量に対する比
率は15%に上る。輸出量が21.5%減の601億kWhに縮小したことから、ドイツは92kWh
の輸入超過に転落した。入超は02年以来で21年ぶり。

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