自動車部品メーカーで融資ハードル高まる

自動車部品メーカーで銀行融資のハードルが高まっていることが、独自動車工業会
(VDA)がコンサルティング大手オリバー・ワイマンと共同実施した会員企業アン
ケート調査で分かった。「過去3年間で融資を得るのが従来よりも難しくなった」と
の回答は66%に達した。利益率が低迷していることもあり、GX(グリーントランス
フォーメーション)、DX(デジタルトランスフォーメーション)に必要な資金を確保
しにくくなっている。
アンケートはサプライヤー74社を対象に実施された。それによると、「金利が上昇し
た」との回答は88%と特に多かった。「担保をこれまでよりも多く求められるように
なった」(同49%)、「融資契約で従来よりも厳しい条件を課されるようになった」
(45%)、「融資期間が短くなった」(36%)企業も少なくない。
また、環境破壊や児童労働などへの視線が世界的に厳しくなっていることを背景に、
「この2年間で融資の際にESG(環境、社会、コーポレート・ガバナンス)が強く考慮
されるようになった」との回答は72%に上った。
VDAは金融機関に対し、融資審査を一律に行うのではなく、差別・多様化すること要
求。ドイツ政府と欧州連合(EU)に対しては、企業競争力を高めるために◇割高なエ
ネルギーコスト対策を実施する◇過度の規制と煩雑な行政手続きを改める◇人材不足
対策を行う――など枠組み条件の改善を促した。

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