独化学工業会(VCI)が14日に発表した同国化学・製薬業界の2023年第4四半期の生
産高は営業日数・季節調整ベースで前期を2.3%下回った。新規受注の減少で化学
部門の低迷が長期化している。VCIは声明で「エネルギー・原料市場は緊迫が続い
ている。延々と続く受注不足はドイツの割高な生産コストと複合して事業を圧迫し
ている」と窮状を訴えた。工場稼働率は前期(75.7%)を1.5ポイント上回る
77.2%に上昇したものの、通常の水準(83〜85%)を依然として大幅に割り込んで
いる。
出荷価格は0.1%下落した。競争が厳しいことから、高止まりしているエネル
ギー・原料価格を川下に転嫁しにくい状況が続いている。
売上高も1.0%減の513億ユーロに落ち込んだ。国内が0.1%、国外が1.4%の幅で縮
小している。製薬は0.3%増えており、製薬を除いたベースでは減少幅が1.4%だっ
た。
23年の生産高は前年を7.9%下回った。製薬を除いたベースでは減少幅が10.4%と2
ケタ台に達している。出荷価格は0.4%低下。売上高は12.2%減の2,293億ユーロ
だった。国内が16.3%減の852億ユーロ、国外が9.6%減の1,441億ユーロとなって
いる。
24年については生産高で横ばい、売上高で3.5%減を見込んでいる。
ヴォルフガング・グローセエントループ専務理事によると、受注が増加する企業が
2月以降、少数ながら出始めてきた。特に国外受注で増加報告が目につくように
なってきたという。