ユニリーバがアイス部門を分離、人員削減も実施

英・蘭系の食品・日用品大手ユニリーバは19日、アイスクリーム部門の分離とコス
ト削減方針を発表した。同社は投資家から収益力の強化を強く求められており、そ
れに応じた格好。コスト削減では人員整理を行う。
アイス部門では「ラングネーゼ」「マグナム」などのブランドを展開している。昨
年の売上高は約80億ユーロで、同社全体の13%を占めた。
同部門の分離手続きは2025年末までに完了する計画。どのような方法で分離するか
は未定だが、株主の利益を最大化することを優先する。
ユニリーバはマーガリン部門を17年、紅茶部門を21年に売却した。アイス部門を手
放すことで食品分野の事業は一段と縮小することになる。
もの言う株主で有名な米ネルソン・ペルツ氏は経営陣に対し、収益力を高めるため
に保有ブランドを整理することを以前から要求。ハイン・シューマッハー社長はこ
れを受け昨秋、成長性の特に高い計30のブランドの強化方針を表明していた。
RBCキャピタルのアナリストは『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に、アイス
事業は成長力が低いうえ、冷凍輸送が必要なことからユニリーバの他の製品とシナ
ジー効果がないと指摘し、今回の方針を高く評価した。
同社は今後3年間でコストを8億ユーロ圧縮する計画。その一環で従業員の約6%に
当たる7,500人を整理する。

上部へスクロール