電機大手の独シーメンスは21日、モーターやファンの有力企業である独ebm-papstか
ら産業用駆動技術(IDT)事業を取得することで合意したと発表した。モバイルロ
ボットや自動搬送車を用いるフレキシブルな工場オートメーション化の分野で主要
メーカーとしての地位を強化する。買収金額は公表しないことで合意した。取引の成
立には貿易法とカルテル法に基づく承認が必要。同社は25年半ばまでの買収手続き完
了を見込んでいる。
ebm-papstのIDT事業では、直接接触に対する保護が必要な保護特別低電圧(PELV)領
域のインテリジェントな総合システムや、自動搬送車の動作制御システムを手がけて
いる。従業員数は650人。
シーメンスは同事業の買収を、自社のDX(デジタルトランスフォーメーション)加速
ツール「Xcelerator」を補完するものと位置付けている。同社デジタル産業部門のセ
ドリック・ナイケ最高経営責任者(CEO)は、「この買収により、急成長するイント
ラロジスティクスとモバイルロボット・ソリューションのインテリジェントな電動ソ
リューション分野で事業と顧客のポテンシャルを切り開く」と狙いを語った。
ebm-papstのIDT事業は規模が小さいことから、これまで市場を思うように開拓できな
かった。シーメンスに買収されることで、グローバル市場へのアクセスが容易にな
る。