電子材料大手の独ヘレウスは20日、産業用ダイヤモンドのスタートアップである中国
の化合積電(CSMH)に資本参加すると発表した。実用化が期待されるダイヤモンド半
導体の分野で事業基盤を整える。出資額は数百万ユーロ。戦略パートナーシップと位
置付けており、監査役1人を派遣する。
ダイヤモンドは熱伝導性や放熱性、絶縁破壊などの点で電子材料として極めて優れた
特性を持つことから、これを用いた半導体は「究極の半導体」とも言われる。半導体
の一般的な材料であるシリコンに比べると、熱伝導率は15倍、絶縁性は33倍に達す
る。製品化されればパワーエレクトロニクスの小型化、高効率化、頑強化につながる
ことから、大きな期待がかけられている。
CSMHは集美大学からのスピンオフとして2020年に廈門(アモイ)で設立された。シリ
コンウエハーに特殊な産業用ダイヤの成膜加工を行う技術を持つ。ヘレウスのシュ
テッフェン・メッツガー取締役は「CSMHのダイヤモンド・ウエハー技術に、当社は新
しい標準を作り出して人工知能とクラウドコンピューティングを加速し、インバー
ターのアーキテクチャーに革命を引き起こすことを期待している」と出資の狙いを
語った。自社のグローバルなネットワークを通してCSMHの製品を販売していく考え
だ。