Ifo経済研究所が22日に発表した3月のドイツ企業景況感指数(2015年=100)は前
月を2.1ポイント上回る87.8へと大幅に上昇した。同指数の改善は2カ月連続。景況
感指数自体は依然として低いものの、クレメンス・フュスト所長は「ドイツ経済の
水平線に薄光が見えてきた」との見方を示した。
今後6カ月の見通しを示す期待指数が前月を3.1ポイント上回る87.5となり、全体を
強く押し上げた。同指数の改善は2カ月連続。現状判断を示す指数は1.2ポイント増
の88.1となり、4カ月ぶりに上昇した。
景況感指数を部門別でみると(DIベース)、製造業では大幅に改善した。現状判断
と期待指数がともに大きく上がった。景況感指数はマイナス8.1ポイントと水準が
低い。受注残高はこれまでに引き続き低下した。
サービス業の景況感指数は0.3ポイントとなり、8カ月ぶりにプラスの領域に戻っ
た。現状判断と期待指数がともに大幅上昇。特に運輸・物流、宿泊・飲食で改善幅
が大きかった。
流通業の景況感指数は4カ月ぶりに好転した。現状判断と期待指数がともに上昇し
ている。景況感指数はマイナス22.9ポイントと極めて低い。
建設業の景況感指数は上昇した。現状判断がやや改善。期待指数も過去最低となっ
た前月をわずかに上回った。景況感指数は4部門のなかで最も低いマイナス33.5ポ
イントとなっている。
景況感は底を打ったものの、エコノミストの間では第1四半期の国内総生産(GDP)
がやや減少するとの見方が強い。GDPは昨年第4四半期もマイナス成長となったこと
から、独経済はテクニカルリセッション(景気後退)に陥る見通しだ。