ドイツ鉄道と機関士労組が合意、週35時間労働が可能に

ドイツ鉄道(DB)と機関士労組GDLは26日、新たな労使協定を取り決めたと発表し
た。賃金据え置きで労働時間を現在の週38時間から35時間に引き下げるというGDL最
大の要求がやや緩和された形で実現する。今後2年間はDBでGDLのストが行われない。
GDLとDBの労使協定は10月末で失効した。これを受け新協定締結に向けた交渉が開始
されたものの、両者の立場は隔たりが大きく、GDLは大規模なストを頻繁に実施。乗
客に大きなしわ寄せが出ていた。
5カ月に及んだ争議の末に実現した今回の合意では、標準労働時間を2026年から段階
的に引き下げていき、29年に35時間とすることが取り決められた。時間をかけて引き
下げることで深刻な人手不足に陥らないよう配慮されている。労働時間の削減に伴う
賃金引き下げは行われない。
各従業員は労働時間を35〜40時間の範囲で自ら決定できる。35時間を超えて働く場合
は時給が2.7%上乗せされることから、40時間を選んだ従業員は35時間の従業員に比
べ支給額が約14%増えることになる。この措置によりDBは必用とする労働力を確保す
る考えだ。
賃金については一律420ユーロ引き上げることで合意した。今年8月と来年4月にそれ
ぞれ210ユーロのベースアップを行う。
税金と社会保険料の納付義務が免除されるインフレ調整一時金も2,850ユーロの支給
が取り決められた。
協定の有効期間は23年11月1日〜25年12月末の26カ月。両者は新協定の失効後も2カ月
間はGDLがストを見合わせることや、次期労使交渉が決裂した場合の調停条件を交渉
開始前に取り決めることでも合意した。ストの頻発を回避する効果がある。
今回の合意はGDLが従業員の過半数を制する機関士など勤務分野に適用される。

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