自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は17日、中国で生産する電気自動車
(BEV)向けのE/Eアーキテクチャーを昨年秋に戦略協業合意した現地の新興メー
カー、小鵬汽車と共同開発すると発表した。システムを簡素化するとともに、シス
テムを制御する電子制御ユニット(ECU)の数を大幅に削減。コスト構造を改善
し、高い競争力を持つ現地競合に対抗できるようにする。
「チャイナ・エレクトリカル・アーキテクチャー(CEA)」という名のE/Eアーキ
テクチャーをソフトウエア子会社カリアド、現地子会社フォルクスワーゲン・チャ
イナ・テクノロジー・カンパニー(VCTC)、小鵬汽車が共同開発する。車両の中央
コンピューターにECUを統合する次世代のゾーン型E/Eアーキテクチャーを採用。
これまでドメイン(技術領域)ごとに行っていた制御を統合することで、部品点数
を削減する。ECUの数は最大30%減少する見通しだ。自動運転など先進的な機能の
シームレスな統合と、OTA(無線通信によるソフトウエアの自動更新)によるアッ
プデートが可能なため、デジタルサービス・機能を迅速に拡充できる。
CEAを投入することで、現地生産車のデジタル・アーキテクチャーを統一する。ま
ずは現地開発のプラットフォームを用いた車両で採用する意向だ。VTCTがVWの現地
合弁である一汽大衆(FAW VW)、上汽大衆(SVW)と共同開発するコンパクトカー
向けの「チャイナ・メイン・プラットフォーム(CMP)」をベースとするエント
リーモデル4車種では、CEAが採用される。VWの大衆BEV用プラットフォーム「MEB」
に比べコストを40%圧縮できるとしている。これらのモデルは2026年から市場投入
される予定だ。
CEAはVWが小鵬汽車と共同開発するBEV2モデルでも採用される。