独ハノーバー検察庁は25日、ディーゼル車の排ガス不正に用いられたエンジン制御装
置とソフトウエアを完成車メーカーに供給していた独コンチネンタルに1億ユーロの
過料支払いを命じたと発表した。監督義務を怠ったとして過失責任を認定した。同社
は支払い命令を受け入れている。
排ガス不正問題は、台上試験では排ガス浄化装置が適切に働くものの、路上走行では
働かず、許容値を超える有害物質が排出されていた問題。エンジン制御装置用ソフト
に台上試験と路上走行の違いを認識する機能が搭載されていた。
そうした機能がVWグループの車両に搭載されていたことが2015年に発覚した。他の
メーカーの車両にも同様の機能があることがその後、次々と明らかにされていった。
コンチネンタルの旧パワートレイン部門(現ヴィテスコ社)は07年以降、これらの
メーカーに1,200万個以上のエンジン制御装置とソフトを供給してきたことから、ハ
ノーバー検察庁は捜査を進めてきた。
過料1億ユーロの内訳は、違法行為への制裁が500万ユーロ、違法行為よってコンチネ
ンタルが不当に得た利益相当額が9,500万ユーロ。同社は捜査に協力したことから過
料額が引き下げられた。
同検察庁はコンチネンタルへの捜査とは別枠で、不正を行った疑いのある同社の元社
員に対する捜査も進めてきた。この捜査については今後も継続する。
コンチネンタルは同日付の声明で、引当金をすでに計上していることから、今回の過
料支払いが24年の業績にもたらす影響はほとんどないとの見解を表明した。また、21
年のヴィテスコ分社化契約では、旧パワートレイン部門の全リスクをヴィテスコが引
き継ぐことになっていると指摘。コンチネンタルがハノーバー検察庁から科された過
料の最終的な負担義務は原則的にヴィテスコにあるとの認識を示した。