空飛ぶタクシーの独ボロコプター、中国企業に身売りか

空飛ぶタクシーと貨物輸送用ドローン(無人機)を開発する独ボロコプターが近い
将来、身売りする可能性があることが分かった。『フランクフルター・アルゲマイ
ネ(FAZ)』紙が26日付で報じたもので、独バイエルン州が支援を行わなければ同
社の出資者である中国の自動車大手・浙江吉利が過半数資本を取得するもようだ。
ボロコプターは日本航空(JAL)など複数の日本企業からも出資を受けている。
ボロコプターは電動垂直離着陸機「eVTOL」を開発している。2月には同社の機材
「ボロシティ」の量産が独連邦航空局(LBA)から許可されたと発表するなど、商
業利用の実現が近づいている。
ただ、資金繰りは厳しいことから、国(連邦交通省)と地元バーデン・ヴュルテン
ベルク州に支援を要請。同州からは拒否されたことから、本社を隣接するバイエル
ン州に移すことを条件にバイエルン州に5,000万ユーロの債務保証を要請した。同
州政府ではマルクス・ブルーメ科学相が前向きな姿勢を示したものの、フベルト・
アイヴァンガー経済相が拒否権を行使したという。
ボロコプターのシュテファン・クロッケ顧問会会長はFAZ紙に、今週末がタイムリ
ミットだと指摘。この期限が切れると同社の価値は引き下げられ、「それ(ボロコ
プター)を銀の盆にのせて中国人の食卓に運ぶことになる」と述べた。
ブルーメ氏は「わが国のアイデアが地球の反対側で実現され、金儲けが行われるこ
とを許してはならない」と危機感を示した。

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