ドイツ連邦統計局が29日に発表した4月の消費者物価指数(速報値)は前年同月比の
上げ幅が前月と同じ2.2%となった。1月に始まったインフレ率の低下はひとまず止
まった格好。今後については独連邦銀行が、5月に3%に上昇するうえ、その後も変動
幅が大きくなる可能性があると指摘する。欧州中央銀行(ECB)のイザベル・シュ
ナーベル専務理事も25日、ユーロ圏の目標である2%を目前にしているものの「最後
の1マイルはかなりのでこぼこ道になる可能性がある」と慎重な見方を示した。
4月の消費者物価を項目別でみると、エネルギーは前年同月を1.2%下回ったものの、
下げ幅は前月の2.7%から縮小した。天然ガスと地域熱に7%の軽減税率を適用する臨
時措置が打ち切られたことが反映されている。前月に0.7%下がった食料品は0.5%の
上昇へと転じた。物品全体では前月を0.2ポイント上回る1.2%となった。
価格変動が激しいエネルギーと食料品を除いたコアのインフレ率は3.0%で、前月を
0.3ポイント下回った。
物価の構成比重が50%強に上るサービスの上げ幅は3.7%から3.4%に縮小した。上昇
率自体は依然として大きい。
前月比のインフレ率は0.5%に上った。前月に比べ0.1ポイント高い。
欧州連合(EU)基準のインフレ率(速報値)は前年同月比が2.4%、前月比が0.6%。
3月はそれぞれ2.3%、0.6%だった。