ヤマトHDが東南アジア~欧州間で陸路輸送サービス開始

ヤマトホールディングスは1日、トラックと鉄道による国際複合一貫輸送サービス
を東南アジア〜欧州間で同日から開始すると発表した。中東情勢の緊迫で紅海を利
用しにくい状況となっていることを踏まえたもの。海上輸送や航空輸送に次ぐ、新
たな輸送手段の1つと位置付けている。
東南アジア地域にはエレクトロニクス関連製品や自動車部品の生産拠点が集積し、
生産物が世界市場に送られている。東南アジアから欧州への海上輸送ではこれま
で、最短の紅海ルートが主に利用されてきたが、昨年末から武装組織による船舶攻
撃が紅海とその周辺海域で継続している。このため多くの船舶は、アフリカ南端の
喜望峰を回るルートに迂回することを余儀なくされ、世界の物流に影響が出てい
る。仕向け地に到着するまでにかかる運航日数は紅海ルートと比べ最大20日ほど長
く、輸送コストが大幅に膨らんでいる。
ヤマトHDはこの事情を踏まえ、シンガポール、マレーシア、タイ、ラオス、ベトナ
ム、カンボジアと欧州(ウクライナ、ベラルーシを除く)で陸路輸送サービスを開
始した。東南アジア〜中国間はマレーシアのグループ会社OTLのトラック輸送網、
中国〜欧州間はパートナー企業の鉄道輸送をそれぞれ活用することで、シームレス
に最終指定納品場所まで輸送する。喜望峰ルートの海上輸送に比べ輸送時間が短縮
される。また、航空輸送に比べるとコストと温室効果ガス排出量が低い。

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