化学大手の独ランクセスは8日、2024年12月期の営業利益(EBITDA、特別要因を除
く)見通しを引き上げた。コスト削減プログラム「フォワード!」の効果が現れて
きたうえ、「化学業界の景気は底を打った」(ツァッヒェルト社長)とみられるた
めで、従来予測の「前期実績(5億1,200万ユーロ)をやや上回る」から「前期実績
を10〜20%上回る」へと上方修正した。
24年1-3月期の業績は前年同期を大幅に下回ったものの、前期(23年10-12月期)比
では営業利益が4.1%、売上高が11.9%増えた。需要は低水準ながら回復してお
り、この傾向は今後も続くと同社はみている。その効果で工場稼働率の改善が見込
まれる。
1-3月期の営業利益は1億100万ユーロだった。前年同期を46.6%下回っている。売
上高は15.4%減の16億700万ユーロで、売上高営業利益率は10.0%から6.3%に低下
した。純損益は9,800万ユーロの赤字となり、赤字幅は前年同期(4,400万ユーロ)
の2倍以上に上った。