高死亡率の耐性菌カンジダ・アウリス、世界初の迅速PCR検査をボッシ ュが開発

IoT大手の独ボッシュは16日、多くの薬剤に耐性を持つ超多剤耐性菌「カンジダ・ア
ウリス」の迅速PCR検査を医療技術子会社ボッシュ・ヘルスケア・ソリューションズ
が世界で初めて開発したと発表した。医療現場で感染の有無を速やかに確認できるた
め、病院は患者に適切な処置を早期に施せるようになる。
カンジダ・アウリスは真菌の一種。帝京大学の槇村浩一教授らが発見し、2009年に初
めて報告した。健康な人には基本的に害がないものの、集中治療を受ける患者や糖尿
病などの基礎疾患を持つ人では血流に乗って全身に広がり敗血症を引き起こす恐れが
ある。死亡率は30〜72%と高い。感染者数は米国などで増えている。
一般的な検査方法である培養法では感染の有無の確認に1〜3日を要する。その間に患
者が重篤化するリスクが高いことから、ボッシュは患者の傍らで医療従事者が分子診
断を行うポイント・オブ・ケア(POC)の迅速PCR検査を開発した。検体をカートリッ
ジに入れ自動分析機にかければ1時間未満で結果が判明することから、重篤化・死亡
リスクを下げることができる。販売パートナーであるランドックス・ラボラトリー
ズ、R-バイオファームを通して同日付で市場投入した。

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