ドイツの対中貿易総額が1-3月期は600億ユーロとなり、前年同月を7.3%下回ったこ
とが、連邦統計局の17日の発表で分かった。対米貿易総額も4.0%減ったものの、632
億ユーロに上っており、中国は貿易相手国1位の座を失い2位に転落した。
対中貿易は輸入高が11.7%減の360億ユーロと大きく落ち込んだ。ドイツ企業が地政
学リスクなどを踏まえ調達先の多様化を進めていることが背景にあるもようだ。前年
同期も減少幅は9.7%と大きかった。
今年1-3月期の輸入高(3,321億ユーロ)に占める中国の割合は10.9%で最も高かった
ものの、前年同期に比べ0.5ポイント低下した。2位はオランダで7.6%、3位は米国で
7.0%だった。
中国からの輸入額が最も大きかった品目はデータ処理装置/電気・光学製品で110億
ユーロ(14.2%減)に上った。これに電気装置が64億ユーロ(18.0%減)、機械が29
億ユーロ(5.9%減)で続いた。化学品は50.2%減の12億ユーロと半減した。
輸入高に占める中国の割合が高い品目はポータブルコンピューター(86.3%)、太陽
電池(86.3%)、スマートフォン(60.5%)、リチウムイオン電池(45.4%)など。
電動車は25.9%だった。
中国への輸出高は240億ユーロで、前年同期を1.1%下回った。同国経済の低迷が響い
た格好。最大の輸出品目は自動車・自動車部品で59億ユーロ(6.8%減)に上った。
これに機械が48億ユーロ(1.4%減)、データ処理装置/電気・光学製品が33億ユー
ロ(3.7%増)で続いた。
対中貿易収支は120億ユーロの赤字となったものの、赤字幅は前年同期の165億ユーロ
から縮小した。
年ベースでみると、中国は23年まで8年連続でドイツ最大の貿易相手国だった。た
だ、23年は2位米国との差がわずか7億ユーロまで縮小しており、24年は米国に抜かれ
る可能性がある。