機械メーカーの人材不足深刻、半数が売上減に

ドイツの機械メーカーが深刻な人材不足に直面している。業界団体VDMAが会員企業
300社強を対象に4月に実施したアンケート調査によると、空きポストの約半数以上
が埋まらないとの回答は熟練労働者で37%、技術者/マイスター資格保有者で
36%、大卒者で29%に上った。ハルトムート・ラウエン副専務理事は「我々の業界
は給与水準の高い魅力的な労働世界だが、ドイツの繁栄マシン(機械業界のこと)
はシンプルにより多くの労働力を必要としている」と述べた。
人材不足が原因で売り上げが減少している企業は47%に上った。内訳は減収幅5%
以内の企業が27%、5〜10%が13%、10〜20%が6%、20%超が1%となっている。
具体的に検討する人材不足対策では「従業員のリスキング」が72%で最も多かっ
た。これに「自動化・ロボット投入の強化」が46%、「定年後の継続雇用」が41%
で続いた。「人工知能(AI)の投入強化」も25%に上った。
自動化・ロボット投入のポテンシャルが大きい分野については「生産」が72%で最
も多かった。2位は「倉庫」で57%。それ以外の分野は回答が少なかった。
自動化、ロボット・AIの投入では人材不足に「対処できない」とみる企業は49%に
上った。「ある程度しか対処できない」も48%と多い。これらの措置の効果で「労
働力が供給過剰になる」は2%に過ぎず、機械メーカーの大半は技術の進歩では労
働力不足に対処できないと考えている。
「どのカテゴリーでの人材不足を最も懸念していますか」との質問では熟練労働者
が55%で最も多かった。技術者/マイスター資格保有者は23%、大卒者は18%、非
熟練労働者は4%だった。

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