言語AIの独ディープエルが3億ドル調達

ビジネス翻訳用の人工知能(AI)を手がける独スタートアップ企業ディープエル
(DeepL)は22日、新たな資金調達ラウンドで3億ドルを確保したと発表した。同社の
評価額は20億ドルで、2023年1月の同10億ユーロから大幅に引き上げられた。
ディープエルは17年の創業。世界中の企業のコミュニケーション方法を変革するとい
う長期ビジョンを掲げる。日本語を含む32言語に対応しており、直近ではアラビア
語、韓国語、ノルウェー語を追加した。社内コミュニケーションから顧客サポート、
海外市場展開に至る翻訳上のさまざまな課題に対応している。従業員数は900人を超
える。
米調査大手フォレスターによると、同社の原語AIプラットフォームを用いると翻訳時
間が90%削減されるという。汎用AIと異なり言語に特化したAIモデルを用いることか
ら、ユースケースに即した正確度の高い翻訳を実現する。ハルシネーションや誤情報
のリスクが低い。創業者のヤロスワフ ・クテロフスキー最高経営責任者(CEO)は
「場所を問わず、すべての企業が当社のAIを使ってグローバル規模でシームレスに業
務を遂行できる未来に近づくことができる」と明言した。
世界の10万社以上の企業、政府機関、その他の組織を顧客に持つ。日本は同社にとっ
てドイツに次ぐ2番目に大きな市場となっており、昨年7月には東京にオフィスを開設
した。日本経済新聞社は同社の顧客となっている。