ドイツ連邦統計局が6日に発表した2024年第1四半期の国内発電量(送電網への供給
ベース)は前年同期比7.5%減の1,215億キロワット時(kWh)となり、これまでに引
き続き後退した。電力価格の高止まりや鉱工業の低迷を背景に需要の弱含みが続いて
いる。
在来型電力が25.4%減の505億kWhと大きく落ち込んだ。23年4月に全廃となった原子
力が100%減少。石炭火力も脱炭素政策を背景に28.2%縮小した。天然ガスは1.9%減
だった。
再生可能エネルギー電力は11.6%増の710億kWhに拡大した。太陽光と水力が各21.0%
増、風力が12.0%増と2ケタ台の伸びを記録している。
各電源のシェアをみると、風力は前年同期の31.8%から38.5%へと大幅に拡大し、首
位を堅持した。石炭は2位にとどまったものの、6.7ポイント減の23.0%と大きく縮小
している。3位は天然ガスで15.8%、4位は太陽光で6.5%、5位はバイオガスで
6.0%、6位は水力で4.5%だった。
再生エネ全体のシェアは48.5%から58.4%へと大きく伸び、第1四半期では18年の統
計開始後の最高となった。在来型は51.5%から41.6%に後退した。
第1四半期の電力輸出量は167億kWhとなり、前年同期を21.7%下回った。原発廃止と
割高な発電コストが反映されている。輸入量は38.5%増の168億kWhで、ドイツは電力
の輸出超過国から輸入超過国に転落した。