富士フイルムが独に工場建設も、TSMCの投資計画を注視

富士フイルムがドイツでの工場建設を視野に入れているもようだ。後藤禎一社長への
インタビューをもとに『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じたもので、主要
顧客である台湾積体電路製造(TSMC)の独工場建設計画が大きなカギを握る。
TSMCは欧州同業のインフィニオン、ボッシュ、NXPと共同で独東部のドレスデンに工
場を建設する計画で、すでにカルテル当局の承認を取得した。ドイツ政府が交付予定
の巨額補助金を欧州連合(EU)の欧州委員会が承認すれば着工し、2027年末までに完
成させる意向だ。
後藤氏は「現在は次にどの市場に投資すべきかを検討する局面にある」と述べた。決
定はまた下していないものの、ドイツのチャンスは低くない。「(ドイツの)割高な
電力コストは現時点で投資を見合わせる理由にならない」としている。
富士フイルムはTSMCに半導体材料を供給している。後藤氏はTSMC同様に主要な顧客で
あるサムスン電子とインテルの欧州での動きも注視していることも明らかにした。

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