ドイツ政府とモロッコ政府は6月28日、気候とエネルギーのためのアライアンスの共
同設立宣言に調印した。気候保護と再生可能エネルギー分野の協業を深化させる。ベ
ルリンで行われた調印式にはスベーニャ・シュルツェ独開発相やモロッコのナッセー
ル・ブリタ外相が参加した。
両国は2020年、水素パートナーシップを締結した。現在モロッコでグリーン水素生産
の参照施設を建設している。同施設はアフリカでのグリーン水素生産の採算性を検証
するもので、年産能力は約1万トンに上る。これはグリーン鉄鋼を5万トン生産できる
規模という。
両国は再生エネ電力の分野でもすでに協業しており、モロッコ南部のワルザザートに
は世界最大の太陽熱発電所が開設された。約130万人に電力を供給している。
今回のアライアンスの枠組みでは、モロッコのグリーン水素産業構築、電力取引、脱
炭素化、気候変動への対応、人材育成で協力していく。同国の潤沢な太陽光・風力資
源を活用して再生エネ発電を実施。まずは現地のエネルギー需要を賄う。将来的には
グリーン水素をドイツに輸出する。