中国社へのガスタービン事業売却を政府が不許可

自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)が大型エンジン子会社MANエナジー・ソ
リューションズのガスタービン事業を中国の中船重工龍江広瀚燃気輪機(GHGT)に
売却する計画を承認しないことを、ドイツ政府が3日の閣議で決定した。同事業の
技術が民生品だけでなく軍用品にも使用される恐れがあることから、経済省が貿易
法(AWG)に基づく審査を実施。取引を認めないことにした。
GHGTは国有造船会社である中国船舶工業集団(CSSC)の子会社。CSSCは船舶を中国
海軍向けも建造していることから、政府はMANエナジー・ソリューションズのガス
タービン事業が仮に譲渡されると、軍事転用されるリスクを排除できないと判断し
た。ロベルト・ハーベック経済相は、ドイツへの投資は原則的に歓迎するとしたう
えで、公共の安全と秩序にとって重要な技術は保護されなければならないと述べ
た。
MANエナジー・ソリューションズは政府の決定を受け入れる意向を表明した。ガス
タービン分野では今後、新製品の開発と製造を中止し、利益を稼げるメンテナンス
事業に経営資源を絞り込む意向だ。

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