独キュアヴァクがmRNAワクチンの権利をGSKに譲渡

バイオ医薬品開発の独キュアヴァクは3日、協業先の英製薬大手グラクソ・スミス
クライン(GSK)に伝令RNA(mRNA)ワクチンの権利を部分譲渡すると発表した。事
業分野を絞り込むとともに、資金繰りを確保する考え。
インフルエンザと新型コロナウイルス感染症を対象とするmRNAワクチンの開発、生
産、世界販売権をGSKに全面譲渡する。取引対象には混合ワクチンも含まれる。ま
ずは前払金4億ユーロを受け取る。このほか、開発・認可・上市の進捗度に応じた
マイルストンと、販売額に応じたロイヤルティーが最大で計10億5,000万ユーロ上
乗せされる。
キュアヴァクはmRNAをベースとする新型コロナワクチン開発の有力企業と目されて
いた。だが、米ファイザーと組んだ競合の独ビオンテックが同ワクチンの開発に成
功し急成長を遂げたのに対し、キュアヴァクの開発は成果が思わしくなく、2021年
秋に承認申請の撤回を余儀なくされた。
GSKとはこれまで、mRNAベースの新型コロナ第2世代ワクチンとインフルエンザワク
チンを共同開発してきた。今後はmRNAワクチンの経営資源をがんなど他の分野に絞
り込む。
これに伴い従業員を30%削減。25年からコストを30%以上、圧縮する意向だ。

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