ドイツ連邦陸運局（KBA）が3日に発表した6月の乗用車新車登録台数は29万7,329台
となり、前年同月を6.1％上回った。増加は2カ月ぶり。コロナ禍前の2019年同月比
では8.6％減となったものの、減少幅はこれまでの2ケタ台から1ケタ台へと縮小し
た。
1〜6月の累計は147万1,641台で、前年同期を5.4％上回った。19年同期に比べると
20.4％少ない。
6月の新車登録を動力源の種類別でみると、電気自動車（BEV）は前年同月比18.1％
減の4万3,412台となり、5カ月連続で縮小した。昨年末の補助金打ち切りがこれま
でに引き続き響いた格好だ。プラグインハイブリッド車（PHV）も3.4％減の1万
5,391台と振るわなかった。PHVを含むハイブリッド車（HV）は12.4％増の8万7,970
台と好調で、ガソリン車（12.1％増の11万1,796台）とディーゼル車（12.4％増の5
万2,688台）も2ケタ台の伸びを記録した。
シェアをみると、BEVは前年同月の18.9％から14.6％へと大きく低下。PHVも5.7％
から5.2％に落ち込んだ。HVは27.9％から29.6％へと伸びた。ガソリン車は2.0ポイ
ント増の37.6％、ディーゼル車は1.0ポイント増の17.7％だった。BEVとPHVの合計
のシェアは19.8％（前年同月24.6％）、BEVとHVは同44.2％（46.8％）となってい
る。
走行1キロメートル当たりの新車の二酸化炭素（CO2）排出量は平均119.5グラム
で、前年同月から3.8％増加した。BEVの減少が響いた。
新車登録の伸び率が最も大きかった部門はミニバンで、50.5％に達した。2位はコ
ンパクトカーで40.6％、3位はユーティリティーズ（ハイルーフコンビ、マイクロ
バス、ピックアップ）で19.3％となっている。大型車（38.6％減）とスポーツ車
（31.5％減）、超小型車（29.8％減）は大幅に落ち込んだ。
シェアではSUVが30.3％（前年同月31.4％）となり、これまでに引き続き断トツの1
位を保った。2位はコンパクトカーで、前年同月の15.7％から20.7％へと大きく拡
大。3位の小型車も11.4％から12.1％に伸びた。4位はオフロード車で10.0％、5位
は中型車で8.9％だった。
伸び率が最も大きかったブランドは中国のBYD（比亜迪）で、574.6％増の425台を
記録した。台数自体が比較的少ないことから、増加数が少ないにもかかわらず増加
率が極端に大きくなった。同じ事情で中マクサス（100.0％増の10台）、英モーガ
ン（100.0％増の8台）も3ケタ台の伸びを記録した。
ドイツ車はオペルが17.9％増の1万7,107台、VWが14.2％増の6万754と2ケタ増とな
り、BMW（6.9％増の2万947台）も前年同月を上回った。そのほかはすべて減少。ス
マートは4.7％減の1,626台、メルセデスは15.3％減の2万1,359台、アウディは
18.2％減の2万398台、フォードは21.5％減の9,463台、ポルシェは23.2％減の2,623
台、MANは34.1％減の143台、ミニは50.1％減の2,335台だった。
日本車は日産（7.4％減の2,552台）とスバル（18.2％減の332台）を除いてすべて
増加した。三菱（88.7％増の2,891台）、ホンダ（52.2％増の636台）、スズキ
（26.6％増の2,217台）、トヨタ（15.6％増の8,798台）、レクサス（15.1％増の
435台）は2ケタ台の伸びを記録。マツダ（4.0％増の4,655台）も増加した。
日本車以外の主な輸入ブランド（シェア1％以上）をみると、MGロエベ（95.9％増
の5,158台）、シトロエン（68.7％増の5,921台）、シュコダ（51.9％増の2万2,419
台）、セアト（42.0％増の1万9,105台）、プジョー（39.7％増の6,355台）、ボル
ボ（30.5％増の5,633台）、ルノー（12.0％増の8,281台）、ダチア（6.9％増の
8,805台）、フィアット（5.7％増の8,544台）は増加。現代（5.2％減の9,501
台）、起亜（23.8％減の6,369台）、テスラ（42.2％減の4,648台）は落ち込んだ。
中国のGWM（長城）は51.5％増の297台、NIO（蔚来）は69.7％減の44台、アイウェ
イズ（愛馳）は6.7％増の16台、ベトナムのビンファストは2台だった。
一方、独自動車工業会（VDA）が同日発表した6月の国内乗用車生産台数は35万200
台となり、前年同月を9％下回った。輸出台数も5％減って27万5,800台となった。1
〜6月の累計は生産台数が前年同期比6％減の208万8,700台、輸出台数が2％減の162
万500台だった。