5月の鉱工業生産2.5%減少、22年末以来の下げ幅に

ドイツ連邦統計局と連邦経済省が5日に発表した5月の鉱工業生産指数(2021年=
100)は物価調整後の実質に季節・営業日数を加味したベースで前月比2.5%減の
92.4(暫定値)に落ち込み、22年12月以来の大幅下落となった。減少は2カ月ぶ
り。経済省は新規受注が5カ月連続で落ち込み、製造業の先行き見通しが再び悪化
していることを踏まえ、生産の安定化にはやや時間がかかるとの見方を示した。
製造業の生産指数は2.9%減の93.7に下落した。投資財が4.0%減と大きく低下。中
間財と消費財もそれぞれ2.7%、0.2%落ち込んだ。中間財の指数は85.7と投資財
(99.4)、消費財(95.8)に比べ大幅に低い。
エネルギー業は2.6%増となり、2カ月連続で改善した。指数自体は83.5と基準値の
100をこれまでに引き続き大きく下回っている。
主要産業をみると、電気装置(7.2%減)、機械(5.9%減)、医薬品(5.4%
減)、自動車・自動車部品(5.2%減)が大きく落ち込んだ。飲料は3.2%、化学品
は2.4%、食品・飼料は1.4%増えた。化学や鉄鋼などのエネルギー集約型産業は0.
2%増だった。
鉱工業生産を特殊要因による統計のブレが小さい3カ月単位の比較でみると、3〜5
月は前期(12〜2月)比で横ばいとなった。製造業は0.4%増加。消費財は1.3%
増、中間財は0.9%増、投資財は0.3%減だった。エネルギー集約型産業は伸び率が
3.5%に上った。
4月の鉱工業生産は当初の前月比0.1%減から同0.1%増に上昇修正された。

上部へスクロール