独金属労組IGメタルの執行部は9日、9月に始まる電機・自動車・機械業界の労使交渉
で7%のベースアップ要求方針を正式決定した。リスティアーネ・ベンナー第1委員長
は、インフレ率は低下したものの物価は高止まりしていると指摘。前回の協定で取り
決めた賃上げと一時金の物価高騰相殺効果はすでになくなっているとして、ベア要求
幅は妥当だと強調した。購買力の強化により低迷する国内経済を底支えする効果もあ
るとしている。
職業訓練生については月額ベースで一律170ユーロの賃上げを要求する。上げ幅は7%
を大幅に上回る。同労組はこれについて、物価の高騰を受け職業訓練生の3分の1が副
業を余儀なくされている現状を改めるためだと説明している。
協定の有効期間については12カ月を要求する。
現行協定は2022年11月に締結された。23年6月に5.2%、24年5月に3.3%の賃上げを実
施。物価の高騰を踏まえ、所得税と社会保険料免除のインフレ調整一時金が一律
3,000ユーロ支給された。
現行協定は9月末で失効する。10月28日までに新協定を締結しなければ、IGメタルは
警告ストライキを実施できるようになる。
金属業界では子どもや要介護家族がいる被用者とシフト勤務の被用者に、月収の
27.5%に相当する手当(T-ZUG A)を取得する代わりに年8日間の追加有給休暇取得を
認めるルールが19年に発効した(金銭の受け取りか有給取得かの選択権がある)。IG
メタルは次期交渉でこの権利の適用対象となる被用者の範囲拡大を要求することも決
めた。