半導体大手の独インフィニオンは19日、同社製の2,000ボルト(V)炭化ケイ素
(SiC)モジュールがダイヘンの系統用蓄電池向けユニット型パワーコンディショ
ナーに採用されたと発表した。
系統用蓄電池やそこに接続するパワーコンディショナーは太陽光や風力発電など再
生可能エネルギーの普及拡大に欠かせない。近年は発電や蓄電、送電効率を向上さ
せるため、蓄電池やパワーコンディショナーの高電圧化へのニーズが高まってい
る。また、蓄電池システムの大規模化により、立地の確保や工事コストの低減が課
題となっている。
ダイヘンがこのほど発売した系統用蓄電池向けユニット型パワーコンディショナー
では、1,500Vという高電圧での蓄電池への接続を業界で初めて実現した。また、高
電圧化によって大容量蓄電池設備に対応可能となったことから、従来製品に比べ系
統用蓄電池の設置面積を40%削減できる。
この高い電力密度はインフィニオンの「62ミリ・クールSiC MOSFET 2000Vモジュー
ル」の採用によって実現した。
ダイヘンの大堀彰大EMS事業部開発部長は「パワーコンディショナーの高電圧化に
あたっては、従来の1200Vデバイスでは回路構成が複雑になるという課題がありま
した。しかし今回、インフィニオンの2000VのSiCモジュールを採用することで、シ
ンプルな回路構成や制御設計が可能となり、開発リソースの軽減や設置面積の縮小
を実現することができました」と述べた。