独銀最大手のドイツ銀行が24日に発表した2024年4-6月期決算の純損益は1億4,300
万ユーロの赤字となり、前年同期の黒字(7億6,300万ユーロ)から大幅に悪化し
た。リテール事業を手がける傘下ブランドのポストバンクで巨額引当金を計上した
ことが響いた格好で、税引き前利益も71%減の4億1,100万ユーロに激減した。引当
金がなければ同利益は17億ユーロに達していた。
同行は4月の適時開示で引当金を計上することを明らかにしていた。10年のポスト
バンク買収時の買い取り価格を不当としてポストバンクの元株主が起こした訴訟で
ケルン高等裁判所が買い取り価格の上乗せを命じる見通しを示したためだ。引当金
は13億ユーロに上る。
クリスティアン・ゼーヴィング頭取は今回公表した声明で、24年6月中間期では利
益が11年以来の高水準に達したことを指摘。同行が推進する戦略の効果ですべての
事業領域が力強く発展しているとして、業績目標の達成に自信を示した。
4-6月期の経常収益は275億8,900万ユーロで、前年同期を2%上回った。投資銀行
(IB)部門が10%増、資産運用(AM)部門が7%増とけん引。コーポレート・バン
ク(CB)部門は1%減、リテール(PB)部門は3%減だった。
貸倒引当金は19%増の4億7,600万ユーロに膨らんだ。狭義の中核自己資本比率
(CET1比率)は6月末時点で13.5%となり、前年同日の13.8%を下回った。