第2四半期GDP0.1%低下、第3四半期も低迷の見通し

ドイツ連邦統計局が30日に発表した2024年第2四半期(4〜6月)の国内総生産(GDP、
2020年=100)は物価調整後の実質に季節・営業日数を加味したベースで前期比0.1%
減の104.96へと落ち込んだ。マイナス成長は2四半期ぶり。GDPは22年第4四半期以
降、マイナス成長とプラス成長を交互に繰り返し低迷が長期化している。Ifo経済研
究所は同日、7月の企業景況感が低調だったことを踏まえ、「2024年第3四半期も改善
はほとんど期待できない」との見方を示した。
統計局によると、第2四半期のGDPは特に設備、建設投資が振るわなかった。
GDPは22年第3四半期に105.60となり、ピークに達した。その後は減少と増加を繰り返
し、停滞している。
ドイツ経済はこれまで、実質賃金の上昇を背景に個人消費主導で回復していくとみら
れていた。だが、消費者向けサービスと小売業の7月の景況感はこれまでに引き続き
悪化。Ifoは、個人消費は第3四半期もほとんど増えないとの見方を示した。
製造業では昨年まで極めて低調だったエネルギー集約型産業を除き、今年は生産が伸
びていない。新規受注の減少で受注残高の目減りが続いており、7月の現状判断指数
は20年9月以来の低水準に落ち込んだ。先行き見通しを示す期待指数は大幅に落ち込
んでいる。
統計局は今回、新たなデータを加味するとともに、統計基準を変更して1991年以降の
GDP統計を再集計した。基準年もこれまでの15年から20年に改めている。
この結果、四半期ベースでも年ベースでも成長率が修正された。23年は前年比横ばい
からマイナス0.1%へと引き下げられている。
一方、欧州連合(EU)統計局ユーロスタットが同日発表したEUとユーロ圏のGDPはと
もに前期を0.3%上回った。データが公表された13カ国のなかでマイナス成長となっ
たのはドイツ、ラトビア(−1.1%)、ハンガリー(−0.2%)、スウェーデン(−0.
8%)の4カ国。ドイツ以外の主要国はすべて増加しており、伸び率はスペインで
0.8%、フランスで0.3%、イタリアで0.2%となった。

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