欧州の住宅完工件数が22~26年で17%減少、独は40%超減で最下位グループに

欧州住宅建設市場の低迷は長引く見通しだ。欧州の経済研究機関が加盟する建設市
場調査のネットワーク、ユーロコンストラクトの調査結果として独Ifo経済研究所
が1日に発表したところによると、調査対象19カ国の2026年の住宅完工件数は152万
8,500件となり、22年実績を17.2%下回る。ロシアのウクライナ侵略に端を発する
高金利と建設コストの急上昇を背景に新規の建設を控える動きが続いている。
予想減少幅が最も大きい国はスウェーデンで48.4%に達する。フィンランド
(44.7%)、ドイツ(40.7%)、フランス(36.1%)、オーストリア(36.1%)ハ
ンガリー(27.0%)、デンマーク(24.0%)も大きい。ドイツは厳しい住宅規制が
追い打ちとなっている。
欧州全体で住宅建設が減少するなか、一部の国では増加が見込まれる。特にアイル
ランドは27.9%増、スペインは23.4%増、ポルトガルは12.6%増と伸び率が2ケタ
台に達する見通しだ。
これら3カ国は都市部で住宅の需要が供給を上回っている。アイルランドでは経済
の活況を背景に国外から専門人材が流入。スペインとポルトガルではオーバーツー
リズムのしわ寄せで賃貸住宅を貸別荘に改める動きが強く、地域住民向けの住宅が
不足している。

上部へスクロール