自動車部品大手の独コンチネンタルは5日、自動運転や車両ネットワーキングを手が
けるオートモティブ部門を分離し、新規株式公開(IPO)する方針を表明した。同部
門は業績が振るわず、株主や市場からは分離を求める声が以前からあった。スピンオ
フによりアジリティを高め、コンチネンタル本体と新会社が成長の可能性を最大限に
引き出せるようにする。
コンチネンタルはオートモティブ、タイヤ、およびホースなどタイヤ以外のゴム製品
を手がけるコンチテックの3部門で構成されている。タイヤとコンチテックは収益力
が高い。オートモティブは両部門とのシナジー効果が小さいうえ、収益力が低迷して
いることから、スピンオフを求める声は数年前から出ていた。
取締役会は今回、スピンオフの詳細を検討することを決議した。第4四半期にスピン
オフの正式決定を下す。来年4月の株主総会で承認されれば、同年末までに実行する
予定だ。コンチネンタルの株主は出資比率に応じて新会社の株式を取得する。
新会社の社名は未定。ニコライ・ゼッツァー社長は、フランクフルトを中心とするラ
イン・マイン地域に本社を設置する見通しを明らかにいた。
コンチネンタルは2021年にもパワートレイン事業を新会社ヴィテスコとしてスピンオ
フした経緯がある。自動車市場の急速な変動を背景に事業のさらなる「選択と集中」
が避けられなくなっている。