上期の機械輸出5%減少、メキシコ向けは供給網再編の追い風で25%増に

連邦統計局のデータをもとにドイツ機械工業連盟(VDMA)が20日に発表した同国の
2024年上半期の機械輸出高は1,006億ユーロ(暫定値)となり、前年同期を4.8%下
回った。製造業の景気の世界的な低迷や地政学危機が響いた格好。物価を加味した
実質ベースでは減少幅が7.0%に上った。
名目ベースの輸出高を仕向け先地域別でみると、足元の欧州が7.3%減少し、足を
強く引っ張った。欧州連合(EU)は下げ幅が8.4%に上る。アジアも3.0%減と振る
わなかった。南アジアが8.1%減と大幅に縮小。東アジアも3.6%落ち込んだ。北米
は0.3%増、ラテンアメリカは3.2%増と前年同期を上回った。
最大の仕向け先国は米国で、0.7%増の139億3,400万ユーロを記録した。同国製造
業の景気減速を受け伸び率は1-3月期の2.1%から縮小した。2位の中国は不動産不
況と内需の低迷が響き5.3%減の90億3,870万ユーロに落ち込んだ。
上位20カ国のうち増加したのは6カ国だけだった。そのなかでメキシコ(17位)は
24.6%増とダントツの伸びを記録している。米中対立に伴うグローバルなサプライ
チェーン(供給網)再編のメリットを最も強く享受している。インド(14位)も急
速な経済成長と政府の投資促進プログラムを追い風に5.0%増加した。
ドイツの機械輸入高は11.7%減の438億ユーロ(暫定値)と大きく落ち込んだ。輸
入先国1位はこれまでに引き続き中国で、49億9,820万ユーロ(3.3%減)だった。2
位はイタリア(13.6%減の38億9,970万ユーロ)、3位は米国(5.2%減の33億1,400
万ユーロ)となっている。東欧諸国はチェコが4位、ポーランドが6位、ハンガリー
が10位とトップ10に3カ国がランクインした。独機械メーカーのニアショア拠点と
して重要性が高まっている。日本は24.1%減の14億9,820万ユーロで11位だった。
機械輸出を製品分野別でみると、トップ10のなかで増加したのは食品・包装機械
(4.3%増の47億9,070万ユーロ)とバルブ(0.3%増の55億560万ユーロ)だけだっ
た。農業機械(21.3%減の75億7,680万ユーロ)と空調機器(9.8%減の73億6,650
万ユーロ)、建機・建設資材製造装置(9.8%減の55億1,810万ユーロ)は大幅に減
少。1位の駆動技術は2.4%減の9億1,890万ユーロだった。

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