独自動車工業会(VDA)は21日に公開したポジョションペーパーで、自動車から排
出される二酸化炭素(CO2)の量を削減するためにeフューエルなどの代替燃料を活
用することを要求した。内燃機関車の新車販売が2035年から欧州連合(EU)で原則
的に禁止されても、それ以前に登録された大量の車両は同年後も長期間、使用され
るためだ。化石燃料へのeフューエルなどの混合を義務化するとともに混合比率を
段階的に引き上げていけば、道路交通部門のCO2排出量を大幅に引き下げられると
している。
ドイツ政府は電気自動車(BEV、乗用車)の国内保有台数を30年までに現在の10倍
の1,500万台に拡大するという野心的な目標を掲げている。仮にこれが実現したと
しても、内燃機関車の保有数は少なくとも4,000万台(トラックを含む)に上る見
通しだ。
VDAによると、代替燃料を活用することで自動車のCO2排出量を同年までに30%削減
できる。内燃機関車が使用する燃料の内訳を化石燃料289億リットル、バイオ燃料
13億リットル、HVO(水素化植物油)50億リットル、eフューエル8億リットルとし
ている。
これら代替燃料の道路交通での使用については30年以降の法的な枠組みが存在しな
い。船舶・航空機向けでは同年以降も法的枠組みがあるものの、これら非道路交通
部門では代替燃料の総需要が小さい。このため、燃料事業者は代替燃料の大規模な
生産投資にしり込みしている。VDAは道路交通向けに30年以降の法的枠組みを創出
すれば、需要の大幅な拡大が見込めることから、代替燃料の生産拡大に弾みがつく
として、政府に速やかな取り組みを促した。