化学大手のランクセスは21日、独西部のクレーフェルト市イーアディンゲン工場で酸
化クロム顔料の生産事業を継続すると発表した。事業の枠組み条件を改善するメドが
立ったことから売却方針を撤回した。
同社は昨年8月、競争力強化に向けた措置を実施することを明らかにした。景気が世
界的に低迷しているうえ、ドイツはエネルギー高などの問題を抱えていることから、
経費を圧縮するとともに、高い収益力を保てる事業モデルを構築していく考えを表
明。イーアディンゲン工場の酸化クロム顔料生産事業については売却先を模索し、買
い手がない場合は操業停止を検討するとしていた。だが、バリューチェーン全体でコ
スト削減のメドを立てるなど状況が改善したことから、運営継続を決めた。