BASFが独工場でアジピン酸などの生産停止

化学大手の独BASFは8月29日、本社所在地ルートヴィヒスハーフェンにある統合生
産拠点でアジピン酸とシクロドデカノン(CDon)、シクロペンタノン(CPon)の生
産を停止すると発表した。市場環境が変化するなかで競争力を保つことが狙い。ド
イツはエネルギーコストが高く、BASFは生産体制の見直しを進めている。
ルートヴィヒスハーフェンにあるCDonとCPonの生産施設を2025年上半期に停止。ア
ジピン酸についても同年中に生産を止める。
アジピン酸については昨年2月に打ち出した生産統廃合計画を受け同拠点での生産
を縮小したものの継続はしていた。CDonとCPonの原料として必要だったためだ。今
回の見直しで生産の全面停止を決めた。韓国工場と仏シャランペにある合弁工場で
はアジピン酸を引き続き生産する。
アジピン酸はポリアミドやポリウレタン、コーティング剤、接着剤の生産に投入さ
れる。CDonはポリアミド12(PA12)の前駆物質であるラウロラクタムの主要原料。
ムスクフレグランスや紫外線吸収剤の合成にも使用されている。CPonは農薬・医薬
品原料の合成や半導体製造の溶剤として用いられる。
今回打ち出した措置の影響を受ける従業員は約180人。同社はグループ内で転職を
支援する意向だ。

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