ドイツ連邦統計局と連邦経済省が6日に発表した7月の鉱工業生産指数(2021年=
100)は物価調整後の実質に季節・営業日数を加味したベースで前月比2.4%減の
91.3(暫定値)となり、コロナ禍初期の20年5月以来の低水準へと落ち込んだ。減
少は2カ月ぶり。経済省は新規受注や景況感の低迷、国外需要の弱含みが今後も続
く見通しなどを踏まえ、製造業の景気不振は続くとの見方を示した。
製造業の生産指数が3.2%減の92.0と大きく落ち込み足を強く引っ張った。投資財
が4.2%、中間財が2.8%、消費財が1.2%の幅で縮小。消費財の減少は3カ月連続と
なった。指数は投資財が96.9、中間財が85.4、消費財が93.1となっている。
エネルギー業は1.9%減となり、4カ月ぶりに落ち込んだ。指数は81.5と基準値の
100を大きく下回っている。建設業は0.3%増の92.6だった。
生産高は製造業の大半の部門で落ち込んだ。減少幅は自動車・自動車部品で
8.1%、電気装置で7.0%、金属製品で3.8%、化学で1.3%、機械で0.5%に上っ
た。増加したのは衣料品(9.4%増)、食品・飼料(3.5%増)など4部門にとどま
る。
化学や鉄鋼などエネルギー集約型産業は1.8%減だった。
鉱工業生産を特殊要因による統計のブレが小さい3カ月単位の比較でみると、5〜7
月は前期(2〜4月)比で2.7%低下した。製造業が2.9%、建設業が3.4%後退。エ
ネルギー業は0.9%、エネルギー集約型産業は0.7%伸びた。
6月の鉱工業生産は当初の前月比1.4%増から同1.7%増に上方修正された。