政府放出のコメ銀株を伊ウニクレディトが取得

伊金融大手ウニクレディトは11日、ドイツ政府が放出した独コメルツ銀行株4.49%を
取得し、出資比率を約9%に拡大したと発表した。同比率を9.9%超に引き上げる許
可を金融監督当局に申請しており、コメ銀株のさらなる買い増しを視野に入れてい
る。
独政府はリーマンショックに伴う金融危機で財務基盤が不安定となったコメ銀に総額
182億ユーロの支援を行った。これに伴い同行株を取得し、半国有化していた。
10日夜にアクセリレーテッド・ブックビルディング方式で機関投資家への売却手続き
を実施し、最も好条件を提示したウニクレディトが全放出株を取得した。1株当たり
の取得価格は13.20ユーロで、前日終値(12.60ユーロ)上回った。ただ、国はコメ銀
株を26ユーロ強で取得しており、売却損を出したことになる。国の出資比率は16.5%
から12%に低下した。
ウニクレディトは「両行の全ステークホルダーのために価値を創出する機会を探る」
との声明を出した。単に両行の協業を目指すだけなのか、買収も狙っているのかは不
明。コメ銀が独最大手のドイツ銀行と19年に合併協議を行った際は、ウニクレディト
もコメ銀に合併を打診したとされる。

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