ドイツ連邦経済・気候省は13日、グリーン水素とその誘導体のサプライチェーン構
築に向けてオーストラリアと基本合意したと発表した。独・欧州連合(EU)の水素
経済立ち上げに向けた助成措置を共同で実施する。豪東部ブリスベンで調印式が行
われた。
グリーン水素・誘導体は化石燃料に比べ価格が高いため、ユーザー企業は国の支援
がなければ製品競争力を維持できない。ドイツ政府はこの事情を踏まえ、「二重
オークションモデル(Doppelauktionsmodell)」という助成の枠組みを導入した。
これは水素・誘導体の調達と販売でともに入札を実施するというものだ。
調達入札ではグリーン水素と、アンモニアなどの誘導体をそれぞれ1社から購入す
る。提示額が最も低い応札者が落札する。契約期間が長く設定されることから、落
札者は事業計画を立てやすくなり安定供給につながる。
販売入札では提示額が最も高い応札者が落札する。販売価格は調達価格を下回る見
通しのため、差額を国の補助金で埋め合わせる。
二重オークションは、グリーン水素の国際市場を立ち上げる目的で創設された独H2
グローバルの傘下企業Hintco(ハイドロジェン・インターミディアリィ・カンパ
ニー=水素仲介会社)を通じて行われる。
独豪はこの枠組みを通してオーストラリア産グリーン水素・誘導体のEU販売を促進
する。助成金をそれぞれ2億ユーロ拠出する方向だ。