半導体大手の米インテルは16日、ドイツ東部のマグデブルグに2工場を建設する計画
を2年延期すると発表した。業績悪化に伴う経営再建策の一環で、米本国以外の事業
拡張プロジェクトにブレーキをかける。ポーランド南西部のブロツワフ近郊に半導体
チップの組立・検査施設を設置する計画も先送りされる。
同社はマグデブルク工場の建設計画を2022年に発表した。23年に着工し、27年から生
産を開始する予定だったが、プロジェクトは遅延。建設はまだ始まっていない。
投資総額は300億ユーロで、その3分の1を補助金で賄う計画となっている。今回の計
画延期を受け、ドイツのクリスティアン・リントナー財務相はX(旧ツイッター)へ
の投稿で、25年度予算案でインテル向けに計上予定だった資金を他の分野に振り向け
る考えを表明した。25年度予算は財源確保のメドが立っていないことから、その解消
を狙っているもようだ。