消費者信頼感やや改善も本格回復の兆しなし

市場調査大手GfKとニュルンベルク市場決定研究所(NIM)が26日に共同発表したドイ
ツ消費者信頼感指数の10月向け予測値は、9月の確定値(−21.9ポイント)を0.7ポイ
ント上回るマイナス21.2ポイントとやや改善した。所得の見通しと高額商品の購入意
欲に関する指数が上昇し、全体が押し上げられた。調査担当者は戦争や景気低迷の長
期化などに加え、ここ数カ月は雇用情勢の悪化がマイナス要因として浮上しているこ
とを指摘。今回の微改善を本格回復の始まりと解釈することはできないと明言した。
景気の見通しに関する9月の指数(10月向け予測値の算出基準の1つ)は1.3ポイント
減の0.7ポイントとなり、2カ月連続で低下した。じりじりと増え続ける失業者数や倒
産の増加、企業の人員削減・国外移転の動きが響いた。ドイツ経済が今年もマイナス
成長になる可能性が高まっていることもマイナス材料となっている。
所得の見通しに関する9月の指数(同)は前月を6.6ポイント上回る10.1ポイントとな
り、大幅に落ち込んだ前月から改善した。インフレ率の安定化と実質所得の上昇が背
景にある。
高額商品の購入意欲に関する9月の指数(同)は4.0ポイント増のマイナス6.9ポイン
となり、22年4月以降の最高を記録した。水準自体は依然として極めて低い。
貯蓄性向を示す9月の指数(同)は2カ月連続で上昇し、消費者信頼感を押し下げた。

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