シェフラーがヴィテスコを吸収合併

軸受大手の独シェフラーは1日、昨年10月に表明した独パワートレイン大手ヴィテ
スコ・テクノロジーズの吸収合併計画が同日付で完了したと発表した。これにより
売上高を90億ユーロ増の250億ユーロに拡大。自動車部品最大手グループへの仲間
入りを果たした。
ヴィテスコは、シェフラーが46%出資する自動車部品大手のコンチネンタルから
2021年に分離・独立した企業。シェフラーのオーナー一族は昨年10月時点でヴィテ
スコ株を50%弱、保有していた。
シェフラーは株式公開買い付け(TOB)を通し、ヴィテスコ株88.81%を2月末までに
獲得。合併計画は4月に開催された両社の株主総会でそれぞれ承認されていた。
今回の合併に伴い、ヴィテスコ株はシェフラーが発行した議決権付きの新株と交換
された。交換比率はヴィテスコ株1株につきシェフラー株11.4株だった。シェフ
ラーの優先株も1対1の比率で議決権付き株に交換された。
合併後のシェフラーは「電動モビリティ」「パワートレインとシャシー」「ビーク
ル・ライフタイム・ソリューションズ」「ベアリングと産業ソリューション」の4
部門体制で事業を展開する。ヴィテスコを吸収したことで電動車向け事業の幅が広
がった。
世界の拠点数は250カ所強、工場数は100カ所強となる。従業員数は約12万人に拡大
するものの、重複業務の削減を今後、進めることから、人員整理が行われる。シナ
ジー効果で29年には営業利益(EBIT)が年6億ユーロ押し上げられる見通しだ。

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