乗用車新車登録3カ月連続減少、BEVはベース効果で増加

ドイツ連邦陸運局(KBA)が4日に発表した9月の乗用車新車登録台数は20万8,848台
となり、前年同月を7.0%下回った。減少は3カ月連続。内燃機関車の不振が響い
た。コロナ禍前の2019年同月比では減少幅が14.6%に達する。
1〜9月の累計は211万6,074台で、前年同期を1.0%下回った。19年同期に比べると
22.8%少ない。
9月の新車登録を動力源の種類別でみると、電気自動車(BEV)は前年同月比8.7%
増の3万4,479台に拡大した。増加は8カ月ぶり。比較対象の23年9月は、BEV購入補
助金の企業向け支給が前月末で終了したことの反動で大幅に減少していたという事
情があり、今年9月はそのベース効果で増加に転じた。
プラグインハイブリッド車(PHV)は1万4,936台で、2.9%後退。PHVを含むハイブ
リッド車(HV)は3.1%増の7万5,433台だった。ガソリン車(15.2%減の6万7,009
台)とディーゼル車(22.0%減の3万1,115台)は減少幅が2ケタ台に達した。
シェアをみると、BEVは前年同月の14.1%から16.5%へと拡大した。PHVも6.9%%
から7.2%に上昇。HVは32.6%から36.1%へと伸びた。ガソリン車は3.1ポイント減
の32.1%、ディーゼル車は2.9ポイント減の14.9%だった。BEVとPHVの合計のシェ
アは23.7%(前年同月21.0%)、BEVとHVは同52.6%(46.7%)となっている。
走行1キロメートル当たりの新車の二酸化炭素(CO2)排出量は平均112.8グラムと
なり、前年同月から5.9%減少した。環境対応車の割合が高まったことが反映され
ている。
新車登録の下げ幅が最も大きかった部門は小型車で、55.0%に達した。これにス
ポーツ車が42.0%、大型車が35.4%で続いた。中大型車は87.0%増と大幅に伸び
た。
シェアではSUVが31.2%(前年同月30.3%)となり、これまでに引き続き断トツの1
位を保った。2位はコンパクトカーで、前年同月の16.1%から17.1%に拡大。3位の
小型車は13.4%から13.1%に縮小した。4位はオフロード車で12.3%、5位は中型車
で7.3%だった。

■電動車の24年予測引き下げ

伸び率が最も大きかったブランドは米ルシード(台数41台)で、272.7%に上っ
た。台数自体が少ないことから、増加数が少ないにもかかわらず増加率が大きく
なった。2位はレクサス(51.9%増の524台)、3位はボルボ(38.3%増の4,416台)
となっている。
ドイツ車はミニ(16.0%増の4,079台)、MAN(2.4%増の86台)、BMW(0.7%増の1
万7,851台)が増加。そのほかはすべて減少した。各ブランドの実績はポルシェが
5.9%減の2,146台、VWが7.4%減の3万8,914台、フォードが8.8%減の8,473台、メ
ルセデスが13.0%減の1万8,385台、アウディが16.6%減の1万4,938台、オペルが
20.5%減の1万1,185台、スマートが26.9%減の599台だった。
レクサス以外の日本車ではトヨタが27.8%増の7,200台と好調だった。そのほかの
ブランドはホンダが4.5%減の652台、スズキが9.5%減の2,582台、三菱が19.2%減
の1,697台、マツダが19.3%減の3,844台、日産が20.8%減の2,278台、スバルが30.
0%減の357台となっている。
日本車以外の主な輸入ブランド(シェア1%以上)をみると、シュコダが34.8%増1
万7,212台と大きく伸び、プジョー(9.3%増の5,511台)、ダチア(3.9%増の
4,088台)も前年同月を上回った。起亜(1.0%減の5,326台)、セアト(5.8%減の
1万852台)、現代(9.7%減の6,433台)、テスラ(10.9%減の3,758台)ルノー
(24.0%減の3,878台)、シトロエン(29.3%減の2,837台)、フィアット(40.1%
減の3,757台)は落ち込んだ。
中国のMGロエベは9.0%減の707台、GWM(長城)は22.2%減の259台、BYD(比亜
迪)は28.6%減の140台、NIO(蔚来)は72.5%減の22台、リンク・アンド・コーは
98.0%減の3台とそろって振るわなかった。シャオペン(小鵬)は33台、ベトナム
のビンファストは19台だった。
独自動車工業会(VDA)は同日、需要が低迷する電動車(BEVとPHV)の24年国内新
車登録台数を従来予測の「前年比17%減の57万8,000台」から「21%減の55万1,000
台」に引き下げた。BEVを「25%減の39万3,000台」から「29%減の37万2,000
台」、PHVを「5%増の18万5,000台」から「2%増の17万9,000台」に下方修正し
た。
VDAが発表した9月の国内乗用車生産台数は39万3,600台となり、前年同月を9%上
回った。輸出台数は11%増の30万5,400台。1〜9月の累計は生産台数が前年同期比
1%減の311万900台、輸出台数が3%増の242万200台だった。

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