製造業新規受注8月は大幅減、下期の景気回復遠のく

ドイツ連邦統計局と連邦経済省が7日に発表した8月の製造業新規受注指数(2021年=
100)は、物価調整後の実質に季節・営業日数を加味したベースで前月を5.8%下回る
83.8(暫定値)へと大きく低下した。減少は3カ月ぶり。6月と7月はともに大きく伸
びていたことから、底打ちへの期待感が高まっていたが、8月の大幅減で吹き飛んだ
格好だ。経済省は企業景況感の低迷も踏まえ、製造業の景気が下半期に回復する可能
性はおそらくないとの見方を示した。大型受注を除いたベースでも減少幅は3.4%と
大きかった。
新規受注を地域別でみると、国内が10.9%減と大きく落ち込んだ。国外は2.2%減。
ユーロ圏(ドイツを除く)は10.5%落ち込んだものの、ユーロ圏外は3.4%増となり3
カ月連続で拡大した。
部門別では投資財が8.6%減少して足を強く引っ張った。国内が20.3%、ユーロ圏が
17.4%の幅で落ち込んだ。ユーロ圏外は7.9%増となり、これまでに引き続き拡大し
た。
中間財は2.2%減少し、2カ月ぶりに落ち込んだ。ユーロ圏外がマイナス7.7%と振る
わなかった。
消費財は0.9%減となり、3カ月連続で落ち込んだ。ユーロ圏が10.2%減少。国内は1.
3%、ユーロ圏外は4.7%の幅で伸びた。
業界別では「その他の輸送機器」が50.9%減と激減した。前月は大型受注の効果で急
増しており、その反動が出た格好だ。金属製品(14.1%減)、電気装置(6.6%
減)、データ・電気・光学機器(5.0%減)、化学(3.2%減)、自動車・自動車部品
(0.5%減)も落ち込んだ。医薬品(7.3%増)、機械(6.9%増)、金属製造(3.3%
増)は好調だった。
7月の製造業新規受注は当初の前月比2.9%増から同3.9%増へと上方修正された。
新規受注を特殊要因によるブレが小さい3カ月単位の比較でみると、6〜8月は前期(3
〜5月)比で3.9%増加した。大型受注を除いたベースでは増加幅が0.7%にとどまっ
た。
8月の製造業売上高(暫定値)は物価調整後の実質に季節・営業日数を加味したベー
スで前月を3.2%上回った。7月については当初の2.3%減から2.5%減へと下方修正さ
れた。

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