独高級乗用車大手のメルセデスベンツとBMWは10日、第3四半期の販売台数をそれぞれ
は発表した。中国市場の低迷などを背景にともに減少。BMWではサプライヤー大手の
コンチネンタルから供給を受けるブレーキの不具合が発覚したこともあり、減少幅が
膨らんだ。
メルセデスの販売台数は50万3,600台となり、前年同期を1%下回った。国別の最大
市場である中国が13%減の17万700台に後退。足元の欧州も4%減の15万8,300台に落
ち込んだ。米国は33%増の8万5,000台と好調だった。
製品カテゴリー別では、「Sクラス」「Gクラス」など最上位モデルが属する「トップ
エンド」が特に振るわず、12%減の6万1,800台に落ち込んだ。中国販売の不振が足を
強く引っ張った。トップエンドのモデルは利幅が大きいことから、同カテゴリーの大
幅な販売減はメルセデスの利益を強く押し下げる懸念がある。
BMWではミニとロールスロイスを含むグループ全体の販売台数が54万882台となり、前
年同期を13.0%割り込んだ。BMWが11.4%減の48万7,062台、ミニが25.2%減の5万
2,669台、ロールスロイスが16.2%減の1,151台と、下げ幅はすべて2ケタ台に達し
た。地域別では中国が29.8%減の14万7,691台(BMWとミニの合計)と特に振るわな
かった。その他の市場も米国が9.2%減の8万3,412台、欧州が1.0%減の21万9,269台
に落ち込んでいる。
電気自動車(BEV)をみると、メルセデスが31%減の4万2,500台と大幅に縮小したの
に対し、BMWグループは10.1%増の10万3,440台と堅調を保った。販売台数に占める
BEVの割合はメルセデスが8.4%、BMWが19.1%と差が開いた。
1-9月期の販売台数はメルセデスが前年同期比4%減の146万3,300台、BMWグループが
4.5%減の175万4,158台と、減少幅に大きな差はなかった。中国販売はメルセデスが
10%減の51万2,200台、BMWとミニが13.1%減の計52万3,638台で、世界販売に占める
割合はそれぞれ35.0%、29.9%に上った。