半導体大手の独インフィニオンは11日、同社初の「サプライヤー向けサステナビリ
ティ・サミット」をバーチャル形式で開催し、SUMCOなど3社を表彰した。エルケ・ラ
イヒャルト最高デジタル・サステナビリティ責任者(CDSO)は同社のカーボンフット
プリントの大半をスコープ3(サプライチェーン)が占めていることを指摘。「当社
の野心的な(炭素中立)目標はあなた方、すなわち当社のサプライヤーと協力するこ
とで初めて達成できます」と述べ、連携の重要性を強調した。
同社は2019年からこれまでに売上高を倍増させる一方で、スコープ1(自社の直接排
出)とスコープ2(エネルギー調達に伴う間接排出)の二酸化炭素(CO2)排出量を半
減することに成功した。また、23年12月にはスコープ3を含むCO2のSBT(科学的根拠
に基づいた排出削減目標)を設定。調達部門は100社を超える各サプライヤーにSBTを
策定し具体策を実施するよう要請してきた。
今回のサステナビリティ・サミットでは、インフィニオンが自社の気候戦略の経験と
実施状況を伝えるとともに、サプライヤー間での情報交換が行われた。パネルディス
カッションも実施され、気候変動対策の国際NGOであるCDP(旧カーボン・ディスク
ロージャー・プロジェクト)の専門家が参加者に具体的なアドバイスを行った。
表彰を受けたのは米半導体製造装置大手アプライドマテリアルズ(ベストパフォーマ
ンス賞)、SUMCO(年商10億ユーロ以上部門のベストインプルーブメント賞)、板金
ソリューションの独iwis(年商10億ユーロ未満部門のベストインプルーブメント賞)
の3社。SUMCOはシリコンウエハーのサプライヤーで初めてSBTを策定したほか、同目
標の実現に向け迅速に取り組んでいることが評価された。