世界鉄鋼協会(WSA)は14日、ドイツの2024年の鉄鋼需要が前年を7.0%下回るとの予
測を発表した。4月の時点では3.2%の増加を見込んでおり、大幅に下方修正した格好
だ。
WSAの経済委員長を務めるドイツ鉄鋼連盟(シュタール)のマルティン・トイリン
ガー事務長は同年の需要が数量ベースで2,620万トンにとどまることを指摘。これは
世界金融危機の水準を約10%下回るもので、過去最低だと危機感を表明した。
WSAはドイツの25年の需要についても従来の「10.0%増の3,180万トン」から「5.7%
増の2,770万トン」に引き下げた。
シュタールによると、24年の市場規模は17年実績を約35%下回る。減少幅は欧州連合
(EU)全体の2倍以上に上る。世界市場がこの間、7%拡大する見通しを踏まえると、
ドイツの需要縮小は深刻だ。国別の世界ランキングを見ても6位から9位に後退する見
通しであり、地盤沈下が急速に進んでいる。トイリンガー氏は国内のほぼすべての顧
客産業で需要が減退していることも踏まえ、政府に速やかな対策を促した。