規制・行政手続き簡素化法案が成立、企業負担10億ユーロ軽減

煩雑な規制や行政手続きを簡素化するビューロクラシー軽減法案が18日、州政府の
代表で構成される独連邦参議院(上院)で可決された。同法案はすでに連邦議会
(下院)を通過しており、来年1月1日付で施行される。企業を中心に年9億4,400万
ユーロの負担軽減につながると政府は見込んでいる。マルコ・ブッシュマン法相は
「今後はビューロクラシー軽減法が毎年、制定される」と述べ、来年も同様の法案
を作成し、さらなる負担軽減を図る意向を示した。
銀行取引明細書や給与リストの保管期間はこれまでの10年から8年に短縮される。
これにより書類を倉庫やサーバーに保管するコストが低下。負担軽減額は6億2,600
万ユーロに上る。
また、法律行為では手書きサインを必要とするものが減り、電子メールやSMSで済
ますことができるようになる。労働契約書の主要事項を採用予定者に電子メールで
送信することも、建設や飲食など不法就労の多い業界を除いて可能になる。
さらに、税理士への委任状を一括管理するデータバンクが新設されることから、社
会保険機関は電子手続きを通して委任状を簡単に確認できるようになる。雇用主は
委任状をいちいち発行する手間がなくなる。
このほか、◇企業は株式総会の資料を郵送せず、株主がインターネットサイトでダ
ウンロードできるようにするだけでよくなる◇ドイツ国籍保有者であれば国内の宿
泊施設に泊まる際に宿泊カードに氏名などを記入する義務がなくなる——などの
ルール改正が行われる。

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